アクセサリー作家、職人としての技術はどこで学ばれたのですか?
東京にある彫金専門学校のフリーカリキュラムコースに入学し、現在も通っています。そこで、入学以来一人の先生について様々な技術を習得しています。また、同じ道を進んでいる先輩にもいろいろと相談に乗ってもらったり、指導してもらったりしています。
今も先生や先輩から指導を受けておられるんですか!修行が続いている訳ですね。たいへんじゃないですか?
学校のため、修行と言えるかどうか微妙なところですが、勉強という意味ではまだ続けているということになります。でも、自分で決めたことですし、やるべきことでもあるので、それについて大変というのは、過ぎたことだと思っています。独り立ちしても、やはりどのような形であれ勉強は続いていきますし。これは自分だけではなく、他の職人さんも皆同じだと思います。
なるほど〜。ところで、原田さんは、作品を創り出すとき、どのようなコンセプトを持って臨まれているのですか?
そうですね「日本の感覚から生み出す日本人が創る飾り物」を念頭に置いて「真の和の精神息づく飾り物」の創作を目指しています。私が目指している「真の和」というのは、日本の伝統的なデザインや手法を表面的に取り入れ依存しただけの「和風」ではなくって、日本人が培ってきた精神と、繊細で情緒豊かな感覚・感性によって裏打ちされて、さらに解釈された物であると考えているんです。美しい四季によって表情を変える豊かな自然、それを尊いものとして意識し、そこに神を見出す鋭い感受性。
それこそが、和の根源的な感覚だと考えます。
深いですね〜。表面的な「和風」ではなくっていう部分に原田さんの意気込みを強く感じます。
ええ。欧米化・物質文明化が進んで日本人が忘れかけてしまった、でも、心のどこかに必ず持っている筈のその感覚に対して訴える事で、
心を豊かにし、それがその人の佇まいをも飾るようなアクセサリー、「飾り物」を創りたいと考えているんです。
ご自身の作品で最も傑作だと思われるものはどれですか?
そうですね・・・・。一つは、この「あかがね 寄生」です。デザイン・製作過程・銀と銅の素材の美しさ、何もかもが頭の中でピッタリ当てはまって、実物も想像通りに出来上がった作品です。他に類のない銀と銅の組み合わせ方で見せられた自負があり、二つと無い、手にした人だけの表情であるのが、最もよく現れる作品です。
なるほど。イメージどおりの出来栄えなんですね。それってスゴイですよね。ほかには?
もう一つは「舞う花 桜」です。桜吹雪を表現したいと思っていたときに、ベネチアガラスの美しい透明な淡い桜色を手に入れて、まさに桜の儚さまで秘めた色だったので興奮しました。試行錯誤を重ねて、ようやく完成した作品で、舞う花シリーズを創る原型にもなったものです。
確かにふたつとも素敵ですよね。ところで原田さんがお手本にされているというか、尊敬されている職人さんはいらっしゃるんですか?
沢山いらっしゃるので、特定の誰とは、言えないのですが・・・・。ただ、作っているものが何であれ、その素材と真摯に向き合い、一つの形にしようとしている方、また、もう一歩進んだ新しいものを生み出そうとしている方、全てを尊敬していますね。自分もそうありたいです。
このページをご覧になってるお客様に伝えたい「想い」を聞かせていただけますか。
「飾屋」の飾り物を身に着けて頂いたときに、心にふとした優しさ、微笑み、華やぎが生まれたら、これほど嬉しい事はありません。身を飾るだけではなく、心を飾り、心を和ませる事、それも「真の“和”」ではないかなと思っています。
また、傷ついて、汚れて、どこか壊れて私の元に修理に戻ってくるほどに愛用して頂けたら幸いです。私はジュエリーボックスを飾るものを創っているのではありません。大切に使っていただいても、必ず傷がついたり汚れたりすると思います。でも、それこそが私の生み出した作品がお客様に愛され、お客様と共に生きた証であり、私にとって、この上ない喜びとであり、お褒めの言葉だと思っています。是非、お客様の愛情を込めて私の作品を「育てて」頂きたいと思います。
最後に今後の原田さんの夢というか目指すものを教えていただけますでしょうか。
お店を持つことが当面の目標です。ただ、どんな形であれ一生、飾屋しろがねとしてやっていきたいです。都会、というかコンクリートに囲まれた生活は受け付けられないので、今いる田舎で作品を創りつつ、農業をしながらのんびり生活できたら最高です。
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